BLOOD VAMPIRE



ベッドに潜り
泣き続けるお嬢様…


今は一人にしておきましょう。



そう思い…
静かに部屋を出たーーー。



「文化祭も中止になったことですし、今日は学校をお休みするしかありませんね…」



静かに呟いて目を伏せる。



いつの時代もそうだ…
人は、何かを失ってから
必ず後悔する…


いや……。
人もヴァンパイアも同じだ。



同じ過ちを繰り返しながら
生きる残酷な生き物だ…



憎み妬み殺し…
それが永遠と繰り返される。



「…ロイア。私も後悔しているよ…」



悲しく放たれた声は
形になることなく
空気に溶けたーーー。



ーーーーーーーーーーーー



リビングへ下りると
莉央斗坊っちゃまが
訝しげな顔で立っていた。



「坊っちゃま…どうかなさいましたか?」



「姉さん大丈夫?」



「今はそっとしておきましょう。」



苦笑いしながら
坊っちゃまに制服の
ブレザーを着せる。



「可哀想な姉さん。大好きな僕の姉さん…。レイ兄…例え何が起きたとしても姉さんだけは守り抜いて…」




寂しそうな顔で笑うと
坊っちゃまは学校へ向かうべく
家を後にしたーーーーーー。
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