BLOOD VAMPIRE
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時が経つのは早く
気づけばもう冬
「おはよー!!」
「あ、リリカおはよ!レイくんも!」
真白さんに挨拶をして
三人で一緒に教室へ向かう。
「リリカ!!」
すると後ろから
声が聞こえて
みんなで一斉に振り向く。
「あ、日向!!おはよっ!…えっ!?」
お嬢様の挨拶に返事すらせず
彼女の手を引っ張って
走り始めたーーー。
「待て!!」
追いかけようとして
一歩踏み出した足は
そのまま止まってしまった。
今追いかけて
私はお嬢様に何を
言うつもりだった?
痛む胸をギュッと
握り潰し唇を噛みしめる。
私はもう……
これ以上同じ過ちは
繰り返したくない。
二度と大切な人を失いたくない。
あの時みたいにーーー。