BLOOD VAMPIRE
「いたっ…!!レ、レイ?」
戸惑いの表情を
浮かべるロイア様に
余計イライラが増す。
この状況で
まだわかりませんか?
本当に鈍くて馬鹿で
どうしようもない
お嬢様ですね…。
「そんなに好きですか?」
「えっ?」
「そんなにあの男が好きかって聞いてるんです!!」
私の低い怒鳴り声に
ブルッと体を震わせると
怯えたような声で
「い、一体どうしたっていうの?お願いだからそこをどいてちょうだい…。」
質問に答えず目を逸らす。
「………………ます。」
「え?聞こえなかったわ。今何て?」
苦痛に歪んだ自分の顔が
鏡に映り込む
それはそれは
とても醜い顔をしていたーーー。