BLOOD VAMPIRE



今思えば本当に
馬鹿な事をしたなと思う。



愚かで浅はかで
馬鹿な私は



一瞬にして
大切な人を失ったーーー。




ーーーーーーーー



だからこそ…私はもう同じ
過ちを繰り返したくない。



今度こそ…
大切な人を失わずに
守るのだ…



なのに私の心は
言うことを聞いてはくれない。



好きになっては
いけなかったのに…




今さっきまで
お嬢様がいた場所を
見つめていると



「追いかけなくていいの?」



隣で真白様が
口を開いたーーー。



私は驚いて
咄嗟に距離を置く。



「好きなんでしょ?リリカのこと。」



なにもかも
見透かしたような
平然な瞳で眈々と
告げる彼女から
目が離せない……。



まるでリカルドと
会話しているみたいだーーー。



「あくまで私は執事ですから。そのような感情は持ってません。」



にっこり笑顔の作り笑いを
真白様に向けて



その場から逃げるように
立ち去ったーーーーーー。
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