BLOOD VAMPIRE



明らかにいつもと
違う日向に


驚きが隠せない。



「その手離してもらえます?」



すると突然
低くて心地よい
聞き慣れた声が
私の耳を掠める。



振り返れない状態でも
すぐに分かった



彼の名前を叫ぶ



「レイ!!」



今まで日向の異様な空気に
緊張を感じていたのに



彼の声一つで
とてつもない
安心感を感じる



「離せって言われて、普通離すか?」



鋭い目付きで
レイを睨む日向



「なら力ずくで奪い返すだけです」



恐ろしいくらいの
笑顔を日向に向けて



こちらに近づいてくる彼



分かってしまった
自分の気持ち…。



認めたくなくて
必死に隠して
気づかないフリを
してきたけれど…



きっとこれ以上
嘘はつけない…



私…レイが好きだーーーーー。
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