BLOOD VAMPIRE
「あー、レイの事だよね?あれは本当にかくかくしかじかで…」
「聞きたくない」
「え…?」
説明に困りながらも
話し始めた私の言葉を
遮って日向が冷たく
言葉を放った。
「聞きたくない。なぁ、あのレイとか言ったっけ?急に転校してきたかと思えば、何か勝手にいつの間にか莉々華の執事やってるとか言うし…何かあいつ怪しいよ!」
いや、確かに怪しいんだけれども。
ヴァンパイアだもんね
怪しくないわけないよね
けど言えない(泣)
「あはは、そうかなー?てか何で日向がそんな事を?」
「え、今までマジで気づいて無かったの?」
「え?何が?」
驚いたような顔で
私を見る日向に
首を傾げる
気づいてないって何に?
「今までずっと、お前の側を離れず何かあったらすぐ駆けつけたし、ずっと守って来た理由(わけ)考えたことある?
」
「え…幼馴染だからでしょ?」
「マジかよ…とんだ鈍感女だな…。いや、昔から分かっていたけれども…」
私の真剣な答えに
何故か落胆する日向
「え?え?幼馴染だからじゃないの?違うの?」
「ちげえよ馬鹿!!お前が好きだからに決まってんだろ!!」
「あ、そっか~!好きだからか!!………ん?……好きだから…ってえぇぇぇぇぇっ!!!!!?」
「声デカイ。てか驚きすぎ。てか言わせんな。」
恥ずかしいのか顔を
真っ赤にしてソッポを向く日向
なんかこっちまで凄く
恥ずかしくなってきた。
てか日向はずっと私の
事が好きだったんだ…
「返事は今すぐじゃなくていいから良く考えて…。暗くなってきたし早く帰るぞ!!」
先に教室を出た日向を
慌てて追いかけて
二人で自宅までの道を歩いたーーー