BLOOD VAMPIRE



「ローザス!頼んだわよ!私は一度、佐伯さんを安全な場所へ移動させてから応戦するわ!」



「かしこまりました」



薔薇ちゃんがそう言うと
ローザスと呼ばれる彼は
敵めがけて走って言った。



「佐伯さん立てる?」



「うん…」


「安全な場所へ。」



案内されて
移動する。



「私は戻るわ。貴女はここで大人しくしていて」



それだけ残して
再び彼女は戦場へと
戻ってゆく



気づけば他の一般人は皆
園外へ避難していたーーー



私はなんて無力なのだろう
太陽の血が通ってる?
それがどうした?



そんな血何の意味もない。
私は二人が戦っているのに
それを悔しくて泣きながら
見ているだけ…



誰も守れないの?



「お嬢様」



ふと背後……いや頭上から
声が聞こえる



「レイ…」


「何をなさってるんです?」


「何って…」



見ればわかるじゃない



そんな悪態を心の中でつく。



「っああああああァッーーー!!!」



薔薇ちゃんの
叫び声が遊園地内に
響き渡る



「助けに行かなくてよろしいんですか?」
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