BLOOD VAMPIRE



「あそこにいるじゃん」



ソファに座り足を組みながら
リカルドさんが指を差す



その先へ視線を向けると
同い年くらい男の子が




部屋の隅の角で
体育座りをしながら



「ああ、どうせ僕なんかゴミ屑のような存在で誰からも愛されてなどいないんだ…」



何やら負のオーラを
全身から放っている。



「えっと、あの…リカルドさん。彼は…」



「あの根暗オタクが俺の契約者で、名前はジャック・リフト。まあ、契約した時から、あんなんだし…。リリカちゃんも気にしちゃダメだよー!」



ジャックくんか。
昔の私に少し似てるな…



「それにしても、あと一組来ませんわね。とうに集合時間は過ぎてるというのに…」



女王様が眉をひそめて
壊れた扉を…



あれ!?
いつの間にか
直ってる!?


なんで!?


「お待たせ致しました。エリザベス女王。」


「サボろうとしていた者を捉えてきました。」



怪奇現象を前に
唖然としてると
扉が開き男の子二人が
室内に入ってきて



その後ろに、赤髪のロン毛男と
これまた子供がちょこんと
男の後ろから顔を出していた。



「シエラ、シエロご苦労様。」



「ちっ…。」



赤髪の男は諦めたように
舌打ちをして中に入ってきた。
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