BLOOD VAMPIRE
「ぐはっ!!」
口から血を吐き
壁に形を残して
崩れ落ちる…
この強さ…半端じゃない。
「レイ!!」
私は直様レイに
駆け寄った…
「魔力を使えるのは、あんた達だけじゃない。もう血を吸うだけしか脳のないヴァンパイアとは違う…。私たちミリシアが新世界を創るの…」
「新世界?」
ここに来てやっと
口を開いたローザスさん。
「私たちヴァンパイアが自由に生きる世界を創るの…。そのために犠牲は必要よね?そう…例えば人間とか……」
”人間”
その言葉に反応する私
「じゃあ、あなた達が聖くんを!!信じられない。人の命を簡単に奪うなんて…!!」
「最終的に殺したのは貴女よ?」
笑いながら残酷な言葉を
放つ彼女にフツフツと
怒りが湧いてくる
「とにかく私たちの邪魔をするなら、みんなまとめて排除する。怖気づくなら今のうちよ?それじゃ、また会う時まで……」
その言葉を最後に
少女は姿を消したーーー。
「誰が怖気づくか、バーカ!!絶対負けないから!!もう誰も傷つけさせない!!」
溢れる涙を拭い去り
レイをゆっくり立たせる。
「レイ…傷の手当てを!!」
「これぐらいの怪我…平気です。」
傷の手当てをしようと
レイの腕を支える
ローザスさんを突き離して
彼は会議室を出て行ったーーー。