BLOOD VAMPIRE



「ぐはっ!!」



口から血を吐き
壁に形を残して
崩れ落ちる…


この強さ…半端じゃない。


「レイ!!」


私は直様レイに
駆け寄った…




「魔力を使えるのは、あんた達だけじゃない。もう血を吸うだけしか脳のないヴァンパイアとは違う…。私たちミリシアが新世界を創るの…」



「新世界?」


ここに来てやっと
口を開いたローザスさん。



「私たちヴァンパイアが自由に生きる世界を創るの…。そのために犠牲は必要よね?そう…例えば人間とか……」



”人間”


その言葉に反応する私


「じゃあ、あなた達が聖くんを!!信じられない。人の命を簡単に奪うなんて…!!」



「最終的に殺したのは貴女よ?」


笑いながら残酷な言葉を
放つ彼女にフツフツと
怒りが湧いてくる



「とにかく私たちの邪魔をするなら、みんなまとめて排除する。怖気づくなら今のうちよ?それじゃ、また会う時まで……」



その言葉を最後に
少女は姿を消したーーー。



「誰が怖気づくか、バーカ!!絶対負けないから!!もう誰も傷つけさせない!!」



溢れる涙を拭い去り
レイをゆっくり立たせる。



「レイ…傷の手当てを!!」


「これぐらいの怪我…平気です。」



傷の手当てをしようと
レイの腕を支える
ローザスさんを突き離して
彼は会議室を出て行ったーーー。
< 67 / 151 >

この作品をシェア

pagetop