BLOOD VAMPIRE



「ちょっとレイ!!待って!!」



腹部を抑えながら歩く
レイの後ろを追いかけて
服の裾を掴む



するとレイは黙ったまま
立ち止まったーーーーー。



「ダメだよ、ちゃんと手当てしなくちゃ!!ほら、こんなに血が!!」



「お嬢様は心配性なんですね…。私はヴァンパイアですよ?治癒力は高いんです。簡単には死にません。」



「そうかもしれないけど…。それに、さっきのムカつく女が言ってた、あの事件ってやつも気になるし…。」



「それについて教えることは何もありません。しばらく一人にさせて下さい。」



あの事件…と口にした瞬間
低く冷たい声で私を制圧する。



そんな彼の表情は
驚くぐらい冷酷で
掴んでいた私の手を
パシンッと振り払う。


そんなレイに少しばかり
恐怖を感じる……。
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