6年分の遠回り~いまなら好きって言えるかも~
すぐに頼んだ私の白ワインと清水のビールが出てくる。
「じゃあ、清水の課長昇進に」
「サンキュ」
軽くグラスをあわせ、中身をひとくち。
「しっかし、清水が課長かー。
まだなんか、実感ないわ」
「そうだな、俺もない」
笑いながら彼がグラスを口に運ぶ。
それを見ながら昔も、こうやって笑っていたなと懐かしくなった。
清水と私は入社当時、部署こそ違うが同じ仕事に携わっていた。
あの頃の私はとにかく早く結果を出して一人前になりたくて突っ走り、そのブレーキ役を清水がしていた。
あの当時は気づかなかったが、彼にしてみればいい迷惑だっただろう。
けれどその反省からいつも文句も言わずに私をフォローしてくれた清水みたいになりたいと思い、いまの私がある。
「どうした?」
清水に声をかけられ、過去に向けていた目を目の前に戻す。
「いや、前はこうやってふたりで飲んで、理想を熱く語っていたなと思って」
思いだすとなんだかおかしくなってきた。
「そうだな。
あれだけ俺に迷惑かけていた浅井が、文句も言わずに後輩のフォローをしているとか驚きだ」
「ちょっと、ひどっ!」
「じゃあ、清水の課長昇進に」
「サンキュ」
軽くグラスをあわせ、中身をひとくち。
「しっかし、清水が課長かー。
まだなんか、実感ないわ」
「そうだな、俺もない」
笑いながら彼がグラスを口に運ぶ。
それを見ながら昔も、こうやって笑っていたなと懐かしくなった。
清水と私は入社当時、部署こそ違うが同じ仕事に携わっていた。
あの頃の私はとにかく早く結果を出して一人前になりたくて突っ走り、そのブレーキ役を清水がしていた。
あの当時は気づかなかったが、彼にしてみればいい迷惑だっただろう。
けれどその反省からいつも文句も言わずに私をフォローしてくれた清水みたいになりたいと思い、いまの私がある。
「どうした?」
清水に声をかけられ、過去に向けていた目を目の前に戻す。
「いや、前はこうやってふたりで飲んで、理想を熱く語っていたなと思って」
思いだすとなんだかおかしくなってきた。
「そうだな。
あれだけ俺に迷惑かけていた浅井が、文句も言わずに後輩のフォローをしているとか驚きだ」
「ちょっと、ひどっ!」