6年分の遠回り~いまなら好きって言えるかも~
私が笑い、清水も笑っている。
あのときはこの笑顔が好きだった。
きっと私は、清水に恋をしていたんだと思う。
でもそのラインを超えられなかったのは、……私の自尊心のせいだ。
清水の方が私よりも早く評価された。
それでちっぽけなプライドが傷ついた私は、彼と距離を取るようになった。
でもいまなら。
お腹も満たされ、白ワインを三杯も空けるといい感じに酔いも回る。
「清水ー」
「ん?」
レンズ越しに目のあった彼が、なぜか私から目を逸らす。
「あのさー、あのー、……」
言うと決めたはずなのにいざとなると怖くなる。
そして、結局。
「……シよ?」
「は?」
清水の目が真円を描くほどまん丸く見開かれ、急に自分の台詞が恥ずかしくなってくる。
いやいやそこは、「付き合っている人はいるの?」とかせめて「好きなんだけど」くらいだろ、自分!
「いいよ」
「は?」
一気に酔いが回ったかのように熱い顔でちびちび誤魔化すようにワインを飲んでいたら、放たれた清水のひと言で顔が上がった。
「本気で言ってる?」
「本気だけど?
ほら、出るぞ」
あのときはこの笑顔が好きだった。
きっと私は、清水に恋をしていたんだと思う。
でもそのラインを超えられなかったのは、……私の自尊心のせいだ。
清水の方が私よりも早く評価された。
それでちっぽけなプライドが傷ついた私は、彼と距離を取るようになった。
でもいまなら。
お腹も満たされ、白ワインを三杯も空けるといい感じに酔いも回る。
「清水ー」
「ん?」
レンズ越しに目のあった彼が、なぜか私から目を逸らす。
「あのさー、あのー、……」
言うと決めたはずなのにいざとなると怖くなる。
そして、結局。
「……シよ?」
「は?」
清水の目が真円を描くほどまん丸く見開かれ、急に自分の台詞が恥ずかしくなってくる。
いやいやそこは、「付き合っている人はいるの?」とかせめて「好きなんだけど」くらいだろ、自分!
「いいよ」
「は?」
一気に酔いが回ったかのように熱い顔でちびちび誤魔化すようにワインを飲んでいたら、放たれた清水のひと言で顔が上がった。
「本気で言ってる?」
「本気だけど?
ほら、出るぞ」