Gold Man
戸惑うセーラの手を引き、カイルは隣街へ連れて行った。隣町は貴族の別荘がある街ということもあり、有名ブランドのお店がたくさんある。

そこで何着ものドレスや煌めく宝石を購入し、セーラに着てもらうと、セーラが何倍も美しく見えた。

「ツギハギだらけの服より、こっちのドレスの方がめちゃくちゃ似合ってる。綺麗だ」

セーラにそう微笑むと、セーラは「そう、かな?」と照れたように笑う。

店を出た後、二人は結婚式について話をしながら歩いていた。

「結婚式、セーラはどこの教会で挙げたいの?」

「う〜ん……。海が見えるところとか素敵だなって思って憧れてるんだけど……」

そんなことを話していると、二人の目の前を子どもが走っていく。その子どもの服はツギハギがあり、裕福ではないと服が語っていた。

刹那、その子どもが転んでしまう。子どもは火がついたように泣き出してしまい、街の人はどこか冷めた目でその子を見て歩いて行った。

「大変!大丈夫?」
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