イケメン彼氏とはじめる相思相愛
プロローグ 「オレらも付き合っちゃう?」
✴︎✴︎✴︎
「オレらも、付き合っちゃう? 」
少し軽い調子で、城戸一颯さんが言った。
『オレらも』の『も、』って何ですか⁈
と、言われた花岡絵里奈は思った。
唖然として大きく目を見開いたまま、じっと彼の顔を見た。
『付き合っちゃう? 』って、そんな簡単でいいのかな⁈
こういうのって、好きですって恥ずかしくも告白したりして、気持ちが通じ合ったりして始まるもんなんじゃないのでしょうか⁈
全部すっ飛ばして、付き合っちゃう⋯⋯ って⋯⋯ 。
でもでも。
目の前に座る彼。
少し眉を上げて、冗談だか何だか分からないような言葉で、余裕に絵里奈に交際を申し込んでるこのイケメン。
絵里奈が入社以来、2年間、ず〜っと一途に片想いしていた初恋相手なのだ。
本当は、一颯の真意をちゃんと聞いて、絵里奈は好きな気持ちをお伝えして、真面目にお付き合いを始めるべきだろう⋯⋯ 。
絵里奈はそんな性格だし、自分のためにそうすべきだと知っている。
それがいきなり、告白も何もなくあっさり、挨拶がわりみたいに言われている。
そもそも、その『付き合う』という認識が初めから絵里奈とは違っているのかもしれない⋯⋯ 。
このモテる人の言葉に、こんな風に彼は女性と付き合うんだと魅入ってしまう。
急にポンっと船でも海に浮かべて、『乗る? 』って聞かれたみたい⋯⋯ 、
と絵里奈は思った。
しかも何も持たず、目的地も分からない船。
こんな事、本当にあるんだ⋯⋯ 。
この船に乗ったら、どうなっちゃうのかな⋯⋯ とチラリとよぎるけど⋯⋯ 。
好きな人からの申し込み。
どんな過程であれ、彼とずっと付き合いたかったんだから⋯⋯ 。
一颯さんの彼女になれる、こんなチャンスありえない。
どうなってもいい、
乗ってしまえばいいんじゃない?
絵里奈は勢いあまって椅子から立ち上がった。
「はい!はい!わたし! 」
パンパンの気持ちが込み上げすぎて、逆に少し低く詰まったみたいな声。
でもちゃんと言葉にして、
「付き合います! 私! がんばります! 」
とまっすぐ彼をみて答えちゃた!
《あーやっぱ、冗談、なしね》なんてもしかして言われちゃう前に、必死でつかまえるように彼の言葉を確かな現実にしなきゃって思った。
一颯は少しあきれて驚いたように眉を上げた。
言い出したはずの彼の方が驚いて、言われた絵里奈の方が力強く宣言してる。
彼の浮かべた船に乗り込んで、行き先も方向もわからない大海原にいきなり漕ぎ出す、道なんてどこにもない。
心臓がドキドキとありえないぐらい高鳴っている。
頑張るしかないよ!
ここからスタートだから!
一颯が余裕を取り戻したように、絵里奈を見ながらフッと笑った。
「じゃ、今からオレのカノジョね」
一颯が絵里奈の彼氏になった。
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「オレらも、付き合っちゃう? 」
少し軽い調子で、城戸一颯さんが言った。
『オレらも』の『も、』って何ですか⁈
と、言われた花岡絵里奈は思った。
唖然として大きく目を見開いたまま、じっと彼の顔を見た。
『付き合っちゃう? 』って、そんな簡単でいいのかな⁈
こういうのって、好きですって恥ずかしくも告白したりして、気持ちが通じ合ったりして始まるもんなんじゃないのでしょうか⁈
全部すっ飛ばして、付き合っちゃう⋯⋯ って⋯⋯ 。
でもでも。
目の前に座る彼。
少し眉を上げて、冗談だか何だか分からないような言葉で、余裕に絵里奈に交際を申し込んでるこのイケメン。
絵里奈が入社以来、2年間、ず〜っと一途に片想いしていた初恋相手なのだ。
本当は、一颯の真意をちゃんと聞いて、絵里奈は好きな気持ちをお伝えして、真面目にお付き合いを始めるべきだろう⋯⋯ 。
絵里奈はそんな性格だし、自分のためにそうすべきだと知っている。
それがいきなり、告白も何もなくあっさり、挨拶がわりみたいに言われている。
そもそも、その『付き合う』という認識が初めから絵里奈とは違っているのかもしれない⋯⋯ 。
このモテる人の言葉に、こんな風に彼は女性と付き合うんだと魅入ってしまう。
急にポンっと船でも海に浮かべて、『乗る? 』って聞かれたみたい⋯⋯ 、
と絵里奈は思った。
しかも何も持たず、目的地も分からない船。
こんな事、本当にあるんだ⋯⋯ 。
この船に乗ったら、どうなっちゃうのかな⋯⋯ とチラリとよぎるけど⋯⋯ 。
好きな人からの申し込み。
どんな過程であれ、彼とずっと付き合いたかったんだから⋯⋯ 。
一颯さんの彼女になれる、こんなチャンスありえない。
どうなってもいい、
乗ってしまえばいいんじゃない?
絵里奈は勢いあまって椅子から立ち上がった。
「はい!はい!わたし! 」
パンパンの気持ちが込み上げすぎて、逆に少し低く詰まったみたいな声。
でもちゃんと言葉にして、
「付き合います! 私! がんばります! 」
とまっすぐ彼をみて答えちゃた!
《あーやっぱ、冗談、なしね》なんてもしかして言われちゃう前に、必死でつかまえるように彼の言葉を確かな現実にしなきゃって思った。
一颯は少しあきれて驚いたように眉を上げた。
言い出したはずの彼の方が驚いて、言われた絵里奈の方が力強く宣言してる。
彼の浮かべた船に乗り込んで、行き先も方向もわからない大海原にいきなり漕ぎ出す、道なんてどこにもない。
心臓がドキドキとありえないぐらい高鳴っている。
頑張るしかないよ!
ここからスタートだから!
一颯が余裕を取り戻したように、絵里奈を見ながらフッと笑った。
「じゃ、今からオレのカノジョね」
一颯が絵里奈の彼氏になった。
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