イケメン彼氏とはじめる相思相愛
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絵里奈にとって、男の人と付き合うのは、人生の中で一番の大きな出来事だった。
本当に好きな人と、気持ちが通じ合って、大事にはじまって行くんだろう、という前提しかない。
この年令にしてはじめての事だ。
もちろん、だから、城戸一颯さんが好きだと思うからこそ付き合うと思ったわけで、当然⋯⋯ 。
でも、あの人⋯⋯ 。
『オレらも』の『も』、って何?
ついで?
好きだからとか、そんなんじゃなくて、『付き合っちゃう? 』
もしかして、認識が違うとか?
確かめないといけないんだろうに、でも、とっさに言えなかった。
こんなふうに付き合うんだ〜って、なんか圧倒されて、のまれて、でも確かに彼は言ってるわけで、こんなチャンスを手放すことが出来なかった。
ちゃんとした真面目な、理性的な自分は一瞬できれいになくなり、いきなり違う世界に踏み込んだみたいだった。
あんなに頑張ってきて緊張して、告白とか色んなことをすっ飛ばしていきなりゴールにたどり着いてしまう。
人生の、一生一度の一大事の緊張が、あっさり消化不良のままたどり着いてしまう。