イケメン彼氏とはじめる相思相愛
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週末。
お天気にめぐまれた日曜日。
『カレシと待ち合わせ』
すごい響き、自分の事だと思えないな。
しかも来るのがあの城戸一颯さんだなんて⋯⋯ 。
駅で待ち合わせ、もちろん絵里奈は早めに着いて、ソワソワして、ドキドキして、改札口を見ていた。
実際に一颯が現れた。
背が高くて、スッキリした身のこなしの彼が、スマートに改札を抜けて、その時少し下を向いたら額にかかった前髪がその動きに揺れる。
改札を通ったら、隙のない視線が、ピシッ、ピシッと刺すように動いて、それが絵里奈にとまる。
彼の形良い唇が少し薄く自然に開いていて、無意識だろう、舌が彼の唇の端にチラリと見えて、なんだか心臓がドクンと音を立てた。
あんな彼が探しているのは自分なんだと思い知る。
絵里奈は真っ赤になった。
ありえなくて、やはり現実離れしてて、自分のことと思えない。
男の人と出かけることなんてない。
ましてや一颯さんとだなんて。