イケメン彼氏とはじめる相思相愛
いつも女子と食事ぐらいしか会わない絵里奈のクローゼットは、かなりフェミニンだ。
髪もふんわりブローさせて、ワンピースで、きっとそぐわないだろうなって心配。
いろいろ試着して悩んだ。
浮いてたらどうしよう⋯⋯ 。
でもジージャンなんかにはしてみた!
アウトドアっぽくない?
絵里奈のイメージの精一杯だった。
「ワンピースかわいいね」
なんて、一颯さんはサラッと言ってくれたけど、場違いと思っているかもしれない。
とにかく出来る事を努力しよう!
話そう、黙ってちゃダメだ。
「いいお天気ですね〜」
って愛想よく。
無難にモロ天気の話から入ったら、えっ、て感じでまた笑われた。彼はクールに、右手を唇にあてた、失笑かもしれない⋯⋯ 。
「カレシなのに天気の話からなんだ? 」
と眉を上げて言われたから、
「はい、まずはお天気から」
と真面目に答えたら、はっ、って笑われた。
それから、
「カレシって、こんな感じでカノジョをあつかうんだよ」
なんて肩に手を置かれたから、ビクッて、思わず体がかたくなった。
チラッと横を見たら、彼の黒いシャツが見える。
ヨイッと上を見たら、やっと彼の顔が見える。
自分の手をぎゅうって握りしめてしまう。
そのまま、吸い込まれるように、絵里奈は薄く唇が開いたまま彼の顔を見ていたら、彼と目がぱちっと合った。
「はっ、」
とまた一颯が苦笑した。