LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~



「本当に、信じらんないでしょ?」


その喫茶店だけではなく、ホテルの建物自体から出て、斗希さんと歩きながら、篤さんの愚痴を言っていた。


それは、昨日の昼休みの食堂での出来事。


篤さんが、公衆面前で私が初めてだったと暴露した事。


「それ、篤らしいっちゃあ篤らしいんだけど。
篤、そこまでバカじゃないから、確信犯なのかも」


「確信犯?」


どう言う意味?


「ほら、梢ちゃんがそうやって遊んでいるとか、ある事ない事言われて、篤もムカついたんじゃない?
だから、わざとそうやって言ったんじゃない?」


斗希さんにそう言われ、そうなのか、って気もしてしまうけど。


「まぁ、篤と仲直りしなよ」


斗希さんには、現在篤さんと喧嘩中なのも話の流れで伝えていた。


「けど、結婚しても料理もしないとか言われて…」


そりゃあ、実家暮らしの私は正直料理が得意ではない。


けど、私が料理しなかったのはそんな理由ではなく。


フルタイムで働いた上に、現在つわりで体調が良くなくて。


「それは、売り言葉に買い言葉って感じじゃないの?
けど、篤、家庭が複雑だったから、
奥さんが手料理作って待ってるような、そんなちょっとした幸せに憧れていたのかもだね」


「そうなんですか?」


そっか。


篤さん、何も言わないけど、
そう言った事を求めていたのだろうか?


けど、その手料理がどうとかだけじゃなく、
私と篤さんの部屋は別々だし。


私と篤さんのその新婚生活は、
これっぽっちも甘さなんてものはなく。


キスすらもしてないと思っていたが、
手すらも、篤さんとは結婚してから握っていない。



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