ＬＯＶＥＤＡＮＧＥＲ～元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚～

「じゃあ、それ順番に答えてやる」


「え、うん…」


「広子は確かに料理は上手だけど、
カレーはお前が作る方が、旨い」


カレー…。


篤さんの好物だから、週に一度くらいのペースで作っている。


「そのあっちの方は…。
俺は広子と一回しかしてないから、よく分かんねぇし。
で、そのヤッた翌日に、俺広子にフラれてんだよ。
俺とのそれが、なんつーか、普通だった、とか。
ヤッたら冷めたとか、体目当ての他の男と一緒で気持ち悪いと思った、とか言われて。
だから、その広子とのそれは、思い出したくもない」


え、それって凄く酷い…。


「それに、俺はSじゃねぇし。
かと言って、Mでもねぇ」


言われてみると、私が知っている限りで、
篤さんは、そのどちらにも当てはまらないような気がする。



「もっとぶっちゃけて言ってやると、
お前の事を会社で初めて見た時。
その昔の斗希の女にも、広子にもどっか似てんなぁって思った」


そう言われ、少しドキっとした。


それは、トキメキとかではなく。


ドキッ、よりも、ギクッって感じで。


私は、今まで一度も髪を染めた事がないから頭髪は黒く。


あの斗希さんの昔の彼女みたいに、
髪を長く伸ばしている。


そして、あの斗希さんの彼女みたいに、
後ろで一つによく束ねている。


目はいいから、メガネは掛けていないけど。


あの斗希さんの彼女のように、色白でいたいと、日焼けをしないように昔からとても気を使っていた。


そのおかげか、私は色白で。


細かったあの人と同じようにいたいと、体型にも気を使っていた。


それは、篤さんへの恋心を忘れていた数年の間もそうで。


私は常に、篤さんのその好きだった、斗希さんの彼女を真似ていた。