ＬＯＶＥＤＡＮＧＥＲ～元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚～

「無事会社のオッケーが出て、商品としてこれが並ぶ時には、
その子は生まれているね」


そう言って、近藤龍馬は私のお腹辺りに視線を向けている。


その声や表情が穏やかで、今の私を祝福してくれているんだ、と感じた。




「少しだけ、仕事とは関係のない話をしてもいいでしょうか？」


そう言う近藤龍馬は、私から篤さんに視線を向けていた。


「ああ。
なら、俺は外してる。
梢に話があんだろ？」


「…はい」


言いにくそうに、近藤龍馬はそう頷く。


「俺は、先戻っている」


篤さんは私の意見を聞かず、席を立ち、そう言って会議室から出て行った。


「梢」


そう呼ばれ、緊張なのか恐怖なのか、体が強ばる。


「俺、梢に謝りたくて」


そう言われて、それはあの結婚詐欺で訴えると言われた事だろうか？と考える。


「別れてからしつこくしてたのもそうだけど、あんな風に脅して関係を迫るような事をして」


やはり、その事で。


その近藤龍馬の表情を見ていると、本当に私に対して申し訳ないと思っているみたいで。



「ううん。
私も、ごめんなさい。
なんていうか、近藤さんの事誤解してた。
こんな風に、仕事に一生懸命なのも付き合ってた時は全然知らなかったし。
色々と軽くていい加減な人だと思ってて」


その言葉に、近藤龍馬は照れ臭そうに笑う。


「俺、入社してからずっと仕事ばかりで。
入社してすぐに、大学時代から付き合ってた彼女に振られてから、恋愛に縁のない生活で」


そう言うけど、近藤龍馬はわりと社内の女子達にモテている。


そんな事も分からないくらいに、仕事に没頭していたんだな。