LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
すると、その高月さんの後ろから二人の男性が現れた。


「梢ちゃん、俺の事は覚えている?」

その人は、覚えていた。


確か、千林(せんばやし)さんといって、
有名な食品会社の社員で、近藤龍馬の前に付き合っていた男で、
わりと新しい記憶。


覚えているけど、怖くなって来て、
声が出ない。


そうか…。

この人には兄の店の事を話したな。


S駅近くにある事も、お店の名前も。


「俺の事覚えてる?覚えてるに決まってるよね?
一応名乗るけど、富田(とみた)だよ。
知ってるでしょ?ね?」


もう一人の男の、そのウザイ感じ、覚えがあるように思うけど、それ以上思い出せない。


「俺達、ちょっと梢ちゃんと話したくて。
俺達、一方的に梢ちゃんに振られて、ムカついてて」


この人達を代表するように、高月さんがそう言った。


"ーー以前の俺みたいに、梢に逆恨みして。
梢に振られたその男の中に、とんでもない行動を起こす奴が俺以外にもいるかもしれないからーー"


そう言えば、近藤龍馬にそうやって忠告を受けていたな。


篤さん、早く戻って来て!


と思うけど、そのパーキングは此処からけっこう距離がある。


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