LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
高月さんと千林さんが、私を挟むように腕を掴んで来た。


そして、富田さんが、私のすぐ側に停まっていた黒いミニバンの後方のドアを開いた。


え、まさかでしょ?と思ったけど。


それは、一瞬の出来事で。


私はそのミニバンに押し込まれるように連れ込まれた。


そして、コンビニからの光を遮断するように、ドアがバンっと閉まった。


「久しぶり。
つっても、どーせ梢は覚えてねぇだろうな?
酒井(さかい)だよ」


運転席でそう言って振り返った男に、
見覚えがあった。


少し、篤さんに雰囲気が似てると思って、付き合った男。


確か、大学四年の時だ。


「ここじゃああれだし、とりあえず移動するか」


酒井は、そう言って車を発進させた。


これは、もしかして。


もしかしなくても、私は連れ去られたんだ…。

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