LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
篤さんの部屋は、2222号室でとても覚えやすかった。


それは角部屋で、その部屋に着く迄の廊下は高級ホテルみたいで。


いくら大会社の部長でも、その給料でこんないいマンションの最上階の家賃なんか払えないだろう。


そもそも、賃貸じゃなく分譲かもしれない。



「このマンション、俺のじゃねぇから。
父親の。
投資で買ったらしいけど、とりあえずここに住んでろって言われてる」


私の考えてた事が読めるのか、
篤さんは玄関のドアをカードキーで解除しながらそう口にした。


それは、翳すとカチッと音がした。


篤さんはそのドアを開き、私に入れと促す。


玄関はとても広くて、
大人二人が立っていても全然邪魔にならないくらい。



「とりあえず、シャワーでいいか?
湯貯めたら時間掛かるし」


篤さんは、玄関先で着ている物を脱いで行く。


ワイシャツ、中に着ていた肌着のシャツを脱ぐと、
現れる左肩にあるトライバル柄のタトゥー。


思わず、それをジッと見てしまう。


「昔、彫って貰った」


そうポツリと、口にされた。


「お兄ちゃんもある」


私の兄の瑛太も、背中に篤さん以上の広範囲にタトゥーがある。


中学の時の先輩のお兄さんが彫り師だとかで、入れて貰ったと言っていたけど。


「ああ。
瑛太も、そっか」


その篤さんの感じから、篤さんもその繋がりでそれを入れたのだろう。


兄と同じ彫り師。


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