LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
暫くそうやってキスをしていたけど、

篤さんからそっと唇を離した。


そして、体を起こして、着ていたTシャツと短パンを脱ぎ捨てている。



篤さんは、寝転んだままの私の衣服を脱がそうとする。


私もそれに協力するように、少し体を起こしたりした。


下着の付けていない私は、
そのスウェットとTシャツを脱がされたら、素っ裸で。


掛け布団を全身で踏んでいるので、布団で隠す事も出来なくて。



篤さんはボクサーパンツのみの姿で、素っ裸ではないけど、
その姿を見て、ちょっと興奮してしまった。


篤さんは、再び私の上に乗って来る。


先程よりも密着して、体重をかけるように。


肌と肌が触れ合い、その温かさに溶けてしまいそうだと思った。


また自然と惹かれ合うように、
私と篤さんの唇が重なりかけた時。


「あっ」


篤さんは、直前で止まる。


そして、顔を少し離して、私をジッと見ている。



「どうしました?」


そう訊いた私に、困ったような顔を返して来る。



「ゴムがねぇ…」


「え…」


ゴム…。


避妊具である、コンドームの事か。



「だから、辞めるか」


そう言って、篤さんは私から体を離そうとしたので、
それをさせないよう、篤さんの背に両手を回した。



「別に無くてもいいです」


今、此処で辞めて、
後日、またヤリましょう、みたいな事は、もう私と篤さんの間では起こらないような気がする。


きっと、もう二度とこうやって篤さんは私をこの自宅に入れる事もないだろうし。


付き合おうか、みたいな事を言われる奇跡も起こらないだろう。


だから。


たった一度だけでも、いい。


遊びでもいいから、この人に抱かれたい。



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