LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「やっぱ、辞めておくか」


再びそう言われたが、その声が先程よりも真剣なのが分かった。



「嫌です!
辞めたくない」


私がそう言っても、篤さんは渋い顔で。


体を起こして、私から離れた。


「なんか、もう辞めておけって、
頭の中でガンガン警笛が鳴ってんだよ」


はー、と篤さんは溜め息を付いている。


私も体を起こして、そんな篤さんに近付く。


篤さんは困ったように、口を開いた。


「俺、今まで処女とヤった事ねぇんだよ。
ヤらねぇようにしてる」


その断りは、処女の私は面倒だとかそんな類いなのだろうか?


その上、遊びで抱く女が、初めてとか重くて嫌なのだろうか?



「俺、なんつーか、初めてじゃねぇ女でも、たまに痛いって言われる事あるしよ。
お前、耐えらんねぇだろ?」


その言葉を聞いて、思い出した。


あれは、兄の瑛太が私の家で友達数人で集まっていた時の会話の一部。



「あれだよな。
篤さん、デカイよな」


そう言っていたのは、兄ではなくて、兄の友達だったのだけど。


当時、小学5年生だった私に、その意味がよく分からなかったけど。


篤さんは、男性としてはそれ程背が高い方ではないので、
そのデカイ、は絶対そういう意味だったのだろう。


恥ずかしいから見ないでいた、篤さんのボクサーパンツのその部分を思わず見てしまう。


痛いのは嫌だし、怖いけど。

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