LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
そんな時、微かだけど私達の耳に届いて来た言葉。



「---けど、本当に川邊部長の子供なのかな?
さっきも、近藤さんと二股掛けていたって…。
あの子遊んでるから、誰の子か分かんないよね?」



微かに聞こえて来るその言葉は、
私達からけっこう離れた席の女子グループのもの。


その人達は、多分、近藤龍馬と同じベンダー事業部の人達だと思う。


篤さんにも聞こえていたのか、
そちらを見ている。


「あの人達、けっこう色々な人の噂話してるから、
梢も川邊部長も気にしない方が…」


ミヤコのその言葉の途中で、篤さんは席から立ち上がった。


その異様な雰囲気に、段々と食堂中の視線が私達の席にへと集まる。


「なぁ、お前ら。
そんなに気になるなら教えてやるよ」


篤さんは、そのベンダー事業部の女子グループに向かってそう言っていて。


彼女達もそれに気付き、怯えたように視線を漂わせている。



「こいつの腹の中に居るのは、間違えなく俺の子だ。
つーか、こいつ俺とヤる迄処女だったのに、誰の子か分かんねぇとか、ねぇし」


その篤さんの声は、その子達だけではなくて、
食堂中の人間全員に届くくらいに響いていて。



< 84 / 243 >

この作品をシェア

pagetop