LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「梢…嘘でしょ?」


目の前のミヤコは、私が篤さんとの結婚報告をした時よりも、驚いている。


それは、私が処女だったという事に。



私はミヤコに、ハッキリとした言葉でではないが、嘘を付いていた。


それなりに、男性経験があるかのように。


この歳でまだ処女だなんて、
流石に、ミヤコが親友でも言えなかった。


それは、恥ずかしいから。



なのに、そんな親友にさえ言えなかった事を、
今、こうやって大勢の人間に知られて。



そりゃあ、もう私は処女じゃないのだけど。


そう言う問題じゃ、なくて。


妊娠して、ホルモンバランスのせいなのだろうか?


なんだか泣けて来て、私は両手で顔を覆ってしまう。



「おい、梢?」


そう戸惑う篤さんの声が、頭上から聞こえた。



「お前らが、んな風にとやかく言うから、こいつ泣いただろうが」


そう怒鳴るような篤さんの言葉が聞こえて来るけど。


この私の涙の犯人を分かっていないのは、
犯人である、篤さん本人だけだ。




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