ＬＯＶＥＤＡＮＧＥＲ～元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚～

そんな篤さんを見ながら、私は意を決したように口を開いた。


「あのね、明日の夜、近藤龍馬と会って来る。
Mホテルの喫茶店で、１９時に」


「あ？」


篤さんは食べるのを中断して、
ソファーに座る私に鋭い視線を向けて来る。


予想はしていたが、怒っている。


そりゃあ、妻が元カレにそうやって会うとか、いい気はしないだろう。


だけど、こうやって話したのは、
その事で後々篤さんに知られて誤解されるような事が有ったら嫌だから。



「今日の昼休み、食堂で言われたの。
私を…その…結婚詐欺で訴える…とか」


帰宅してからその事を思い出し、
LINEのブロックを解除すると、早速その呼び出しのメッセージが来た。


来ないと、私を訴えるとか。


篤さんには内緒でと書いてあったが、
それを無視して今私はこうやって話している。


「結婚詐欺って、お前、その男を騙してたのか？」


「騙したつもりなんかない。
あっちが勝手に騒いでいるだけ。
だから、明日のその話し合いに来いって」


「じゃあ、いちいち行かなくていいだろ？
無視しとけ」


そう言って、また手にしているハンバーガーを食べ始めている。



「そんな事したら、また会社で色々言われるじゃない。
今日みたいに食堂とかで…」


もう、私はこれ以上会社で噂されたくない。



「身から出たサビだろうが。
男取っ替え引っ替えしてんのは、本当なんだろ？
いい加減にそうやって男と付き合ってっから、そんな目に遇うんだろ？」


ふっ、と鼻で笑われて、ちょっとカチンと来てしまった。