LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「少しお前の言ってる事が分かって来たが、
俺が言った、そのやり返せはそう言う意味じゃねぇ」



勿論。その篤さんの言った意味は分かっている。


けど、女の私が、男に腕っぷしで勝てるわけがない。



それに、歳を取るうちに、男性とそんな気持ちで付き合いながらも、
もしかしたら、本気で付き合える男の人が居るかもしれない、とそう期待していたのも事実。


結局、そんな男性は、
私には篤さんしか居なかったのだけど。



「つーか、よく今迄そんなんでトラブルとかに巻き込まれ無かったな?
いや。あんのか?
今回のそのベンダー事業部の奴みたいに色々と」


「別に、ないし。
今回の近藤龍馬が初めて」


私がそうやって男性に限らず、
これといったトラブルがなく今まで平穏無事だったのは、
私の兄が瑛太だからだろう。


兄は篤さんが卒業した後も変わらずグレ続け、同じ中学だけじゃなく、
地元の他の中学でもその兄の名前は知れ渡っていた。


兄が中学三年の時、私は一年生だったけど、
そんな私に同じ中学で文句を言って来る人間は、男女共に居なくて。


先生達でさえ、そんな瑛太の妹の私に気を使っていた。


兄が卒業してからも、周りの私に対する態度は変わらず。


私はそのまま地元の高校へと進んだからか、
兄と違う高校でも、その兄の名前で守られている状態は続いた。



大学へと入ると、その兄の名前の効果は無くなったが、

大学生になると皆大人だからか、別れ際に男性と多少揉めても、その後特に何もなかった。


周りの女子からも、そんな風にモテる私に対して、やっかみを受ける事も特に無かった。


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