LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「なんかお前、すげぇめんどくさいよな」
そう言って、手に持っていたハンバーガーをテーブルに置いた感じ。
篤さんも、戦闘態勢に入った事が分かった。
「よくそんなめんどくさいって思う女と、結婚したよね?」
「デキたんだから仕方ねぇだろ?
やっぱ、あん時ヤるんじゃなかった」
その篤さんの言葉に、さらに怒りのボルテージが上がると共に、
心が切り刻まれるように、痛く傷付いている事が分かった。
あの時、拒む篤さんに、私から迫ったから、こうなっている。
篤さんが望んで、今の状況になっているわけじゃない。
「---自分が失敗して、私を妊娠させてんじゃない。
欲望に負けて、断り切れずに」
なんでこんな事、私も言ってしまってんだろうか?
「そうだな。失敗だな。
お前と結婚しても、特にめんどうな事しかねぇしな。
洗濯はしてくれてるけど、飯作ってくれたりするわけじゃねぇし」
掃除もしてるって、って、胸の中で言い返してしまう。
「私、もう実家に帰る!
篤さんとこれ以上一緒に居たら、ムカつくから!」
「じゃあ、この弁当も持って帰れよ」
篤さんはそう言って、ダイニングテーブルの上のそれを見ている。
その感じにも、なんだかイライラとしてしまう。
「お弁当、篤さんが食べるなり捨てるなりしといて!」
私はリビングから出ると、私用の部屋へと行き、
明日用の服に着替え、このマンションを出た。
ほんの少し、篤さんに引き留めて欲しいと思っていたけど。
篤さんは、引き留めてくれなかった。