君と旅の途中
「……というかさ、穂希さん」
「なんだい、都生君」
「俺たち正門に向かってるんですよね?」
「そうだよ?」
「ここどこすか?」
「知らないですね~」
「はぁ⁉」
しらーっと答える穂希に、俺は冷や汗をかきつつその肩を揺らした。
「おいおいおい。俺はお前に付いて行ってたんだぞ⁉ ここどこだよ?」
「えーっと……えへっ。うっかりうっかり」
てへぺろっとかわいらしく舌を出す穂希に、俺はぐっと言葉に詰まった。