君と旅の途中
2,出会い
「とーき、一緒に帰ろ?」
「あぁ……」
放課後になるとすぐに穂希が寄ってきて、俺はぐっと伸びをした。
「くっそ、真澄都生め……!」
「あんなにかわいい幼馴染がいるとか、ラノベの主人公かよっ……前世でどんだけ善行を積んだんだよ⁉」
クラスメイト(主に男子)の声を華麗にスルーし、穂希は俺の髪をつまんだ。
「都生の髪、寝ぐせついてるよ。さては授業中寝てたでしょ?」
「は? 寝ることの何が悪いんだよ」
「いや、否定しろ? 開き直るな?」
「用意するから待ってて」
「はいよ」
俺がさっさと帰る準備を進めていると、穂希はクラスメイトの女子数人に囲まれて話をしていた。