君と旅の途中
「ほんと真澄くんと仲いいね~穂希って」
「うん。都生とは兄弟みたいなものだからね」
そういつもの笑顔で笑う穂希に、クラスメイトの一人が意味ありげな視線を俺に向ける。
「そうはいってもさ~、ちょっと怪しくない? マジで付き合ってないの?」
「えっ?」
「……は? お前勝手に何言ってんだよ」
俺は帰りの準備を急いで終わらせ、絶句した穂希に助け船を出す。
眉をひそめるが、俺がかばったことで他のクラスメイトまで騒ぎ出してしまった。
「それ俺らも思ってた~! だって毎日一緒に下校してるだろ?」
「真澄くんもかっこいいし、穂希ちゃんはかわいいし、お似合いじゃない⁉」
「ね、兄弟みたいなものって言っても、男女なわけだし。もしかして……隠してるだけで実は付き合ってたり⁉」
「え~、でも美羽ちゃんって高田先輩と付き合ってるだろ? 二股⁉」
「はあ? 勝手に話を膨らませるなよ」
「っ……」