君と旅の途中
そう察して、俺はそれについてはあえて何にも触れず、穂希の頭をぐしゃぐしゃっと乱暴に撫でた。
「ちょっ……⁉」
「まぁ、こんなに小さな小さなお子様の穂希ちゃんと俺が付き合ってるなんて勘違いも甚だしいよな」
「ちっ……⁉ 何⁉ それ身長の事⁉ は? 小さくないし! 小さいって言った方が小さいんですー!」
「やっぱ子供かよ」
「っていうか、都生君こそ私と噂になれたことを光栄に思った方がいいんとちゃいます?」
「ワーコウエイダナー。ウレシイナー」
「棒読みかよっ!」
そんなやり取りをしつつ教室を出て、げた箱から各々自分の靴を取り出した。
それから、いつものように隣に並んで帰り道を歩く。