君と旅の途中
……ちょっと、待て。
今俺……プロポーズと同様の事を言わなかったか?
恐る恐る穂希の様子を伺うと、穂希は俺を凝視していて、その頬は微かに赤みがさしているように見えた。
う、わ……はっず。
俺は穂希の頭から手を放すと、そのまま顔に持っていき、顔を隠してしまう。
はっず……。
どう考えても俺らしくないし、穂希も呆れてそー……。
ちらっと指の隙間から穂希の様子を伺う。
すると、ポカンと大きく見開かれたその瞳からポロリと雫がこぼれ落ちた。
え……泣いてる⁉
あまりの衝撃にビクッと肩を震わせると、穂希は手で表情を隠し、ゆるゆると俯いた。