君と旅の途中
それから誕生日パーティは滞りなく進んで、食事をとり終えた俺たちは俺の部屋でゲームをしていた。
「よし、よしっ、そこだカ〇ビィ! よし、ハンマーでぶったたけ!」
「あぁっ。何やってんのカービ〇! 落ちんなの、吹っ飛ぶなよ! お前が相手を吹っ飛ばすんだよ! なんで君そんなに体重軽いのかな⁉」
「そのハンマーは偽物か⁉ 上腕二頭筋と心を通わせろよ! 筋トレさぼっとんのか!」
「いや、カー〇ィに厳しすぎるだろ。時代錯誤の部活顧問か、お前は」
穂希の操作する、大乱闘スマッシュクルーズのキャラ、カ〇ビィを俺が吹っ飛ばすと、穂希がドンっと勢いよくテーブルを叩く。
「なんで私はこんなにも勝てないんだ……わかってる、わかってるんだよ。キャラのせいじゃない。私がへたくそなだけだって……」
「あ、自覚あったんだ?」
「そこはフォローしろよ」
ぐすんぐすんと泣きまねをする穂希に、眉を上げると、どすっと怒りに任せたげんこつが飛んできて、俺は慌てて腹部を防御した。