君と旅の途中
「穂希はさ……死にたいなんて、思ったことないよな?」
「え……」
そう問いかけてまっすぐに見つめると、穂希は微かに動揺したかのように瞳を揺らした。
ミクルに会ってから、ずっと心の片隅に引っかかっていたこと。
近い未来に、『俺』か『穂希』のどちらかが死ぬ。
俺は事故とかそういうことじゃない限り、自分で命を落とすなんてことはしない。
……だけど、最近の穂希の姿は俺から見ても少し異常で。
精神がもろくなっているのも、危ないんじゃないか。
そんな考えがずっと頭の中を満たしていた。