君と旅の途中
4,愚かな行動
「あっ。都生」
「……何」
廊下で穂希と目が合って、呼び止められる。
つい冷たい声で返事してしまうと、穂希は少し戸惑ったかのようにピクリと動きを止める。
「何? 用がないならもう行くけど」
「あ、いや……何でもない。ごめんね、引き留めて」
「……あっそ」
あははっと誤魔化すかのように笑われて、俺は踵を返して歩き出した。
……やっば。今の対応は、やばい。
やっちまった……。
流石に今のは穂希を傷つけてしまったかもしれない。
俺は人気のない踊り場まで来ると、がっくりと肩を落とした。