君と旅の途中
そんな疑問を抱き、俺は片手で弁当箱を隠し、自分の方へ引き寄せた。
そして穂希をじとっと睨んだ。
「……あげないけど」
「何⁉ ケチっ。都生ったらけちん坊だ!」
すると穂希はかっと目を見開き、こちらに身を乗り出した。
やはり弁当が目当てだったか……。
予測していた言葉に、俺はふと笑ってしまう。
「冗談だって、冗談。ほら、どうぞ」
「いいの⁉」
そう言うと穂希はぱあっと無邪気に瞳を輝かせて、俺を崇めだす。
「都生様~! まったく君っていう子は心の綺麗な優しい子ですね。流石私の幼馴染!」
「いや、お前は誰の目線でものを言ってんだよ?」
そもそも俺はお前の幼馴染ということを誇りに思ったことはない。