君と旅の途中
そう内心ツッコミを入れつつ、穂希に弁当を差し出す。
確か、穂希が好きなのは……。
ハンバーグと……から揚げ、だったよな。
残念なことにハンバーグはなかったものの、から揚げは弁当箱に鎮座していて。
それに気が付いた俺は、箸でから揚げをつまみ穂希の口に突っ込んだ。
「おら、たんと食え」
「う、ぐっ⁉」
突然から揚げを口に突っ込まれは穂希はというと、しばらくは苦しそうにしていたものの、数秒後にはもぐもぐと味わい始めた。
目まで閉じて至福に身を任せている模様の穂希。
俺はその額をコツとつついた。
「穂希様、ご感想のほどは? 食レポをお願いします」
「んっ……しょ、食レポ?……噛み締めるたびに肉汁があふれ、程よい塩気ととてつもない旨味が私の喉を集中砲火していますね~。いや、至福の一品! このから揚げは旨味の宝石箱や~!」
「ありきたりだし、パクリじゃねえか。彦〇呂さんに謝れ」
「なんだとっ! そしてなぜ彦摩〇さんだとわかった⁉」