君と旅の途中















「でもさ……本当に穂希ちゃんを殺したのは、俺なのかな?」

















「は……?」
















何言ってるんだ、こいつは。


















そんな気持ちを隠そうともせず顔をしかめると、そいつは手で口元を隠して、クスクスと楽しそうに笑った。
















「君……真澄都生は美羽穂希の自殺に関係ないって言い切れるの?」
















「……は?」
















何、馬鹿なことを言ってるんだ……?
















思いもよらぬ言葉に思わず目を見開いて。
















もちろん言い切れるって、……そう、言いたいのに。
















喉がひりついたように痛くて、声が出てこない。















……俺のせいじゃ、ない……おは、言い切れないのか?
















そんな考えにたどり着いて、ドクンと心臓が嫌な音をたてた。
















動揺を隠せない俺に、高田はその服から俺の手を乱暴に外した。
















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