君と旅の途中
「当然でしょ。タイムリープも、タイムスリップも、自分の寿命を過去に戻る年数分使ってするもの。なんの寿命もなしに、こんな事ができると思う?」
「……」
それは、……そうだ。
俺はギュッと手を握りしめて、ミクルの顔を見つめた。
「お前は……一体何年寿命を使ったんだ」
「……十年」
「っなんで、そんなこと」
「……私の事なんて、どうでもいいでしょ。それより、やるの? やらないの?」
挑発的な瞳に、俺はゴクリと喉を鳴らす。
そして、すぐに頷いた。
「やる」
「……やけに迷わないね」