君と旅の途中
二章
8、目覚め
「っ……は」
ドクンと心臓が大きく音をたてた。
上手く息が吸えなくて、しばらくごほごほと咳を繰り返した。
目を開くと、涙でうっすらとにじんだ、見慣れた風景が広がっていて。
ハッと我に返って起き上がると、俺は自分のベッドで寝ているところだった。
驚いて目を見開くと、頭がズキっと痛んで、うめき声をあげた。
……頭、痛。
これは過去にやってきたことで、脳に負荷がかかっているせいなのか。それとも……。