きらめく星と沈黙の月
だから桜子は、俺があれを大切にしていたことを分かっていた。


だからこそ、許せなかった。


「理由があったんだろ?碧が理由もなしにそんなことしないのは分かってる」


「理由があったとしても、最低な行為であることに変わりはねぇんだよ」


あの時、桜子も泣いていた。


怖かったに違いない。


中1とはいえ、俺と桜子の体格差はかなりあった。


「今でもすげぇ後悔してんの。何ってことをしたんだろう自分は、って」


俺のグローブを壊したのは桜子でも、桜子を傷つけていい理由にはならない。


「それ、桜ちゃんに言えばいいじゃん。それで解決だろ?」


「もう言ってる。謝ってる。だからその件に関しては和解してるんだ」
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