きらめく星と沈黙の月
「ホントに？よかったぁ…」


…なんで桜子がオギと俺の心配を？


桜子らしくないっていうか、なんていうか…。

　
なんか…違和感がある。


「それと…昨日のことなんだけど…」


また、桜子が言いづらそうに声を絞り出した。


「……昨日のこと…」


オギからマネの話を聞いたせいか、できれば聞きたくない。


「…その─」


「ごめん。野球の話、やめよう」


野球を避けたいのなら避ければいい。


もしかしたら野球に近づいてくれるかもしれない、っていう無意味な期待をもうしたくない。


「…そう…だよね。ごめんね…」


「あ、いや、そういう意味じゃなくて…」


傷ついた表情の桜子を見て、言い方を間違えたことに気づいた。


でも、もう遅い。


─キーンコーンカーンコーン…


終わりを告げる鐘が響く。


去っていく桜子の後ろ姿は悲しみに包まれていた。


「…ごめん」


俺、何やってんだろ。


桜子のことを傷つけてばっかで、何やってんだろうな……。
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