きらめく星と沈黙の月
そうしてもぎ取ったアウトで、藤北の守備は終わった。


今日1番の大勝負が始まった─。


9回裏1点差。


「お願い……」


私にはただ祈ることしかできない。


二点。


二点とれば決勝だ。


「頑張って皆……」


お願い…っ。


バッターはキャプテン。


キャプテンは落ち着いた様子で無事出塁。


そして4番バッター。


「…お願い……」  


先輩が打った球は、セカンドゴロだった。


「あ…っ」


セカンドが捕球し、ショートへ送球、すぐさまファーストへ転送。


─ダブルプレー。


「そんな……」


あっという間にツーアウト。


あと一人で夏が終わっちゃうかもしれない……っ。


そんなの嫌…っ。


碧の夢はこんなところで終わらない─っ。


続くバッターは…
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