きらめく星と沈黙の月

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「熱っ!」


「だから言ったじゃん」


「んっ、でもウマい」


私が作ったお粥を美味しそうに食べてくれる。


それだけで嬉しい。


「桜子が料理できんの知らなかったなー」


「簡単なものしか作れないけどね」


碧の表情が明るくなっている。


元気が戻ってきたならよかった。


あんなに弱ってる碧を見たことがなかったから、どうしていいか分からなかった。


「……ごめんね、何もしてあげられなくて」


もっと気の利く言葉を言えたり、美味しい料理が作れたらいいんだけどね…。


「……俺は感謝してるよ。雨の中駆けつけてくれたり、黙って側にいてくれたり。桜子がいてくれてよかったって本気で思ってる」
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