きらめく星と沈黙の月
「心配すんなって。俺は大丈夫だから」


碧は、ニコッと笑顔を浮かべ、クシャクシャっと私の髪を掻き乱した。


「もうっ」


身体をのけ反らせ、碧の手を避けると、彼は楽しそうに笑ってくれた。


「……よかった」


碧の笑顔が戻ってきた。


よかったよかった。


「さっ、今日はもうそれ食べたら寝なね?」


私は帰ろう。


もう碧を一人にしても大丈夫だろうし、私がいつまでも居座ってると碧にも迷惑だろうし。


「じゃっ、私は帰るね」


席を立ち、碧の横をすり抜けようとしたときだった。


─グイッ


「へっ?」


手首を掴まれ、そのまま引き寄せられた。
 

思わずよろけてしまい、碧に抱き止められる。


濡れた前髪が目にかかり、妙に色気がある碧が至近距離にいる。


ド、ド、ド、ド、ド、ド…


速まる鼓動が碧に聞こえてしまいそう。
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