きらめく星と沈黙の月

**

「碧くん!もうすぐ定期戦だね!!」


「活躍楽しみにしてるね!!」


教室に着くなり、碧ファンの女子が碧を取り巻く。


私は輪の外に押し出され、窓際の1番後ろの自席に追いやられる。


これも毎日のこと。


「…はぁ……」


碧が女子と話してるところを見るとイライラする。


誰にでも笑顔で、誰にでも優しくて、皆平等。


誰かを特別扱いすることなんてない。


性格が良い上に、成績もトップレベルだし、運動神経だって抜群。


産まれる家が少しズレただけで、何でこんなに差があるんだろうなぁ…。


「桜!おはよ」


私の前の席に座ったのは、親友の藍沢陽菜(あいざわひな)。
< 3 / 586 >

この作品をシェア

pagetop