きらめく星と沈黙の月
「星矢先輩、彼女いるのかなぁ」


「まさか狙ってるの?やめときなよ、超仲良い幼なじみがいるらしいから」


真後ろの子たちの会話にドキッとする。


超仲良い幼なじみって私だよね…?


「あの二人の仲に入り込むのは無理だと思うよ」


「そっかぁー。幼なじみって憧れちゃうな」


周りから見れば私たちってそう見えるんだ。


嬉しいこと…なのかな。


でも今日は……。


今日は…っ。


“お前は二度と野球に関わるな”

“試合も見に来るな”

“そんな資格ねぇんだから”


遠い。


碧が遠いんだ。


「そろそろ始まるっぽいよ」


「先攻だったよね?星矢先輩の出番あるかなぁ」


「マジ楽しみ!絶対カッコイイよ!」
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